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結局私達は追加で日本酒を注文した。
「人間観察が趣味なの?」
「観察しなくても分かりますよ」
そんなものなのか。
「……羽山が歓送迎会で選んでくれたお店、あれ良かったね」
「個別に料理が出てくる所じゃないと嫌なんです」
「じゃあ、中華料理とか苦手?」
「あー、そうですね」
「人の家に泊まるのとかは?」
「あんまりしたくないですね。でもそれより他人を自分の部屋にはいれたくないですね」
「…………羽山って、彼女いる?」
「いないですよ」
「いても続かないタイプ?」
「いや、彼女を作った事ありません」
「…………え?」
彼女が居た事無いの?
いやいや、それは嘘でしょ?
「だって、面倒じゃないですか」
そんな事を悪びれる様子も無く言った。
「…………」
口を小さく開けたまま固まった私を見て羽山が「先輩もちゃんと表情出るんですね」と言って表情を緩めた。
羽山だってそういう顔するんじゃん。
「でも、羽山ってモテるらしいんでしょ?」
「それ、本人に聞きますか?
先輩って本当にそういう周りの流れに無頓着ですよね」
「羽山、私先輩ですけど。あまり馬鹿にしないでくれます?」
「馬鹿にしてませんよ、寧ろ好意的に思ってますから」
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