第2話

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結局私達は追加で日本酒を注文した。 「人間観察が趣味なの?」 「観察しなくても分かりますよ」 そんなものなのか。 「……羽山が歓送迎会で選んでくれたお店、あれ良かったね」 「個別に料理が出てくる所じゃないと嫌なんです」 「じゃあ、中華料理とか苦手?」 「あー、そうですね」 「人の家に泊まるのとかは?」 「あんまりしたくないですね。でもそれより他人を自分の部屋にはいれたくないですね」 「…………羽山って、彼女いる?」 「いないですよ」 「いても続かないタイプ?」 「いや、彼女を作った事ありません」 「…………え?」 彼女が居た事無いの? いやいや、それは嘘でしょ? 「だって、面倒じゃないですか」 そんな事を悪びれる様子も無く言った。 「…………」 口を小さく開けたまま固まった私を見て羽山が「先輩もちゃんと表情出るんですね」と言って表情を緩めた。 羽山だってそういう顔するんじゃん。 「でも、羽山ってモテるらしいんでしょ?」 「それ、本人に聞きますか? 先輩って本当にそういう周りの流れに無頓着ですよね」 「羽山、私先輩ですけど。あまり馬鹿にしないでくれます?」 「馬鹿にしてませんよ、寧ろ好意的に思ってますから」
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