1304人が本棚に入れています
本棚に追加
第6話[Les retrouvailles.(再会)]
ブルーベリーにピスタチオにヌテラ。
ローズの香り漂う色とりどりのマカロン。
ふわふわのギモーヴや、
ナッツが敷き詰められた
タブレットのチョコレートや
カリソンなどのコンフィズリー。
色鮮やかな飴細工を纏ったサントノレ。
みずみずしいフルーツが盛られたタルト。
大きくカットされた黄金色の滑らかなフラン。
キラキラと輝く宝石のようなお菓子に、
目が輝くのは私より小栗といった様子。
自ら専属ガイドとなった小栗により、
あちらこちらのガトーを食して
いるのだが、
「さすがにもう、御腹いっぱいです」
限界を告げる私に、
我が彼氏は、
ここぞとばかりにパティスリーを
巡る姿は、嬉々としていて、
「美味しいでしょ?」
と有無を言わせぬほどのドヤ顔に、
「もう食べすぎで
美味しいとかより、厳しいです」
という言葉をつい飲み込み。
「スッごく美味しい」
などと微笑んでしまう私は、
いつも以上に気を使っているらしい。
だって、
私が、無理やりほうばる姿を
さも幸せそうに眺める小栗を
裏切れるはずがない....。
....うっぷっ。
.
最初のコメントを投稿しよう!