第6話

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その日の夜、主人と話し合いました。 どうしても気力がでなかったので、閉店間際のスーパーで割引になった総菜を買い、温めての食事をしながらでした。 食事を総菜で済ますことはほとんどないのですが、主人も私の状況を察してくれたのか、批判するようなことは一言も言いません。 診察の結果について、なるべく客観的に伝えました。 自然妊娠の可能性、 体外受精を勧められたことも。 話しながらなぜか涙がこぼれてきました。 頭では冷静にわかっているつもりなのに、涙と鼻水が止まりません。 あとから、あとから流れてきます。 どうしてなのか自分でもわかりませんでした。 まぁ、やれるだけやってみようか。 主人はそう言いました。 このときに、はっきりとわかりました。 主人が望むから子供が欲しいんじゃない。 私が欲しいんだ。 誰になんと言われても、たとえ主人がいらないと言っても、私は産みたいのだと。 お金かかるよ。 鼻水をすすりながら、私は答えました。 お金は後で稼げばいいよ。やれるだけやってみよう。 こうして、私たちは体外受精に向けての治療を始めることにしました。
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