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「……逃げるつもりかい?」
「当たり前でしょう?外を少し見たいだけ、なんて言うと思う?」
馬鹿にしたような口調でマリオネットは言った。
「ここまでして外に出なかったら、殺されるか、また鎖に繋がれるか、でしょ?あんたが『ここまでするなんて思ってなかったよ。これからは君のこと大切にするからね』とか温かい言葉をかけるわけないのは知ってるわ。メリットが何もないしね」
マスターは迷っているのか、何も言わない。
マスターの表情を見て、小学生の頃、校庭で遊んでる時にボールで窓ガラスを割ってしまったクラスメートのを思い出した。
先生に謝るのも怒られるのも良いけど、お母さんにこの事知られるのが嫌だ。
俺のお母さん、すごい怖いんだ。
そう言ってたあの子と、同じ顔。
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