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「待ってくれ!!」
マスターは声を張り上げた。
マリオネットの手がピタリと止まる。
「玄関を開けて……その後どうするつもりだい?」
「逃げる、って言わなかったかしら?」
「……それは君だけが、かい?それともサンも一緒かい?」
「あなたに玄関を開けてもらった後、玄関から離れてもらう。そうしたら、私はサンを解放して逃げるわ。こうやって包丁を構えたまま外に出るのは厳しいからね」
そう言いながら包丁の腹でペシペシと私の頭を叩く。
「その後サンがどうするかは私が知ったことではないわ」
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