それぞれのさよなら―Ⅰ―

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マリオネットは1歩後ずさった。 その調子で……早く逃げて!! 「全く……理解できない」 マスターは冷酷な目で私を見た。 虫けらを見るような目、とでも言えば良いのだろうか。 少なくとも、先ほどまで私の命を救おうとしていた人とは違う目をしていた。 「自分が死にそうな状況なのにどうして他人を助けようとする?」 そう言いながら、空いている右足で私の手を踏む。 「ぐっ……」 痛い。 でも、離しちゃいけない。
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