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「動いたら、刺す」
私の腹に、包丁の切っ先を向ける。
「多分、1回刺しただけじゃすぐには死なないけど……あなた個人の力じゃどうしようもない状況にはなるわよね?」
そう言いながら、再び包丁を私の顔のあたりに持ってくる。
「それとも、あなたが大好きなこの顔を滅茶苦茶にした方が良いかしら?」
「止めてくれ!マリオネット……!」
不思議と恐怖は感じない。
……マリオネットの、包丁を握る手が微かに震えているから。
怖い。
刺したくない。
お願い、言うことを聞いて。
そんな感情がこちらにまで伝わってきた。
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