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呆然としているマスターに追い討ちをかけるように、マリオネットは私の腕を包丁の腹でヒタヒタと叩きながら言った。
「この子は例外だとでも?」
「……君は、自分が生き残るためなら他の人が死ぬことをいとわなかった。だが、こうやって自分から相手を傷つけることはなかった……!」
「自分は何人も殺しといてよく言うわ。私自身が誰にも手をかけないことを誰が保証したと言うの?」
そう言って、少し悲しげな表情をする。
「今まで私が見捨ててきた人なら、今の私を見て納得するでしょうね。『やっぱり他人の命を奪ってでも生き残るつもりなんだ』って」
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