第6話 【セカンド・バージン】

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新栄にあるホテルの一室。 広々とした空間に、真っ白な壁とブラウン系で統一されたインテリア。 モダンな雰囲気を持つこの部屋の中心には、ゆったり座れるソファーが置かれている。 先にシャワーを浴び終えた私は、厚めのタオル生地で作られたガウンをはおり、まるで入学試験の面接の順番を待つ少女のように、ガチガチに身体を強張らせソファーの片隅に座っている。 先生がシャワールームから出てくるのを待つこの時間… あの高瀬先生がシャワーを浴びている状況だけで、既に眩暈がしそうだ。 天井のスピーカーから微かに聞こえるクラッシック音楽は、癒しになるどころか、反っていやらしさを演出して耳に届く。 ――大丈夫、落ち着け…落ち着け…。 ただ、一度だけ抱かれるだけじゃない。それで100万貰えるのよ?こんな美味しい話、逃したらそれこそ罰が当たる。 きっと、何とかなる。……何を緊張してるの? 処女じゃあるまいし。 ガウンで隠された乳房が、ドクドクと鼓動を打ち鳴らしているのが分かる。 控えめな照明に照らされたキングサイズのベッドに視線を伸ばし、生唾をゴクンと飲み込んだ。 弾けんばかりの緊張感を解そうと、目の前に置かれたミネラルウォーターのペットボトルに手を伸ばし、渇いたのどに冷たい潤いを流し込んだ。 ペットボトルを口から離し、大きく息を吸ったその時、後ろから扉の開かれる音が聞こえビクッと身体を縮めた。 近づいて来る足音。 私は急いでペットボトルを置き、気づかれぬように浅い呼吸を繰り返した。 「お待たせ」 そう言って先生が隣に座ると、私のヒップに先生の存在が振動となって伝わって来た。 この状況で『お待たせ』と言われても、緊張感が増すばかりで返す言葉も見つからず。 「…はい」 目を合わせる事も出来ず、しおらしく頷いた。
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