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「今夜一晩、お前を買う。値段はお前の言い値だ」
「なっ、一晩買うって!?それって、それって…」
そうゆう事をしちゃうって事ーっ?!
って言うかっ!先生、顔、近いってーっ!!
透き通るような栗色の瞳が、私を捕らえる。
バクバクと、壊れてしまいそうな程に打ちつける心臓。
「なに言っちゃてんですか?先生、からかわないで下さい!」
思考回路は完全ショート。
真っ赤に変色して行く顔が、無意識に強張る。
「金ならいくらでもやる。10万か?20万か?50万か?自分の価値は、自分で決めろ」
「……自分の価値を…決める?身体を売るなんて…汚れたお金じゃ駄目だって言ったでしょ?」
「汚れた金?どこがだ?風俗で値段を決められ体を汚すのとは違う。自分の価値を人になんか決めさせるな。俺は、お前自身が決めた対価を支払う。今夜、俺に抱かれるお前の価値はいくらだ?…言え、麻弥」
身体を買うだなんて、なんて傲慢な男なの?!
一晩で10万?20万?50万!?言い値で買う!?
金銭感覚のズレにもほどがある。
旧世シャン・ゼリゼの高級娼婦、マリー・デュプレシスじゃあるまいし…
…発想がイカレテル――。
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