第6話 【セカンド・バージン】

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「今夜一晩、お前を買う。値段はお前の言い値だ」 「なっ、一晩買うって!?それって、それって…」 そうゆう事をしちゃうって事ーっ?! って言うかっ!先生、顔、近いってーっ!! 透き通るような栗色の瞳が、私を捕らえる。 バクバクと、壊れてしまいそうな程に打ちつける心臓。 「なに言っちゃてんですか?先生、からかわないで下さい!」 思考回路は完全ショート。 真っ赤に変色して行く顔が、無意識に強張る。 「金ならいくらでもやる。10万か?20万か?50万か?自分の価値は、自分で決めろ」 「……自分の価値を…決める?身体を売るなんて…汚れたお金じゃ駄目だって言ったでしょ?」 「汚れた金?どこがだ?風俗で値段を決められ体を汚すのとは違う。自分の価値を人になんか決めさせるな。俺は、お前自身が決めた対価を支払う。今夜、俺に抱かれるお前の価値はいくらだ?…言え、麻弥」 身体を買うだなんて、なんて傲慢な男なの?! 一晩で10万?20万?50万!?言い値で買う!? 金銭感覚のズレにもほどがある。 旧世シャン・ゼリゼの高級娼婦、マリー・デュプレシスじゃあるまいし… …発想がイカレテル――。
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