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「ん………朝…?」
眩しい光で目が覚め、反射的に手で光を遮る
「あ、ごめんね。起こしちゃった?」
声のした方を見ると、最愛の彼女がカーテンを少し開けて窓際に立っていた
時計に視線をやると5時を少し過ぎた頃
早起きすぎねぇか?
「まだ朝早いし、もう少し寝てなよ」
ふわり、微笑む葉月(はづき)の言葉に答えず、ベッドから出て歩み寄る
身長差で自然と上目使いになる葉月を“あぁ、今日も可愛い”なんて思いながら手を伸ばせば、ビクリと肩が揺れた
“しまった”と思ったのだろう、視線がさ迷う
俺はそれに気づかないフリをして、葉月を抱き寄せた
「お前は?」
「え?」
「まだ5時だろ。葉月も寝たら?」
「あ…わ、たし…は…えと…」
あー、こりゃなんか隠してんな
動揺しすぎだろ
「一昨日、急に休講になったって言ってたじゃん。久しぶりに休みが合うから、泊まりに来ないかって言ったよな?」
じっと葉月を見つめながら問う
「それは…そう、だけど…」
俺の視線と絡まることなくさ迷う瞳
「“ゆっくり過ごすのもいいけど、久しぶりだからデートしたい”って葉月が誘ってくれたの、すっげぇ嬉しかったんだけど」
葉月の頬が、ほんのりと赤く染まる
「楽しみにしてたの、俺だけ?」
「違っ…!そうじゃなくてね…あの…わた…私っ、ね…」
今にも泣き出すんじゃないかってくらい、必死に弁解の言葉を探す姿は、ツボ以外の何物でもない
あぁ、ホント可愛すぎるッ!
葉月の頬に手を添えて、軽く触れるだけのキスを1つ
突然のキスに目を見開いて硬直する葉月
キスと認識したのか、頬がさっきよりも赤くなり瞳が潤んだ
そんな顔すんなよ
止まらなくなんだろ…
また、口付ける
今度は啄むように、何度も何度も繰り返して
徐々に深く、長くなる口付けに応えるように、葉月は俺の背中に腕を回し、どちらともなく舌を絡ませる
「…ん……はぁ…ふ…ンっ」
くぐもった声
乱れた呼吸
酸素を求めるより、俺を求め離さない
可愛い、俺の彼女
唇を離して抱き締め、葉月の耳許で優しく囁く
「なぁ、一緒に寝ようぜ?」
もっと、可愛いお前が見たい
俺で乱れる、お前が見たい
お前を、愛したい
お前を、感じたい…
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