神様が、眠る日。

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世界は水の下に沈もうとしていた。 それなのに最後まで、街は明るく輝いている。 「毎日祠に祷りを捧げてくれたあの老人はどうなるかしら?」 「大きくなって、神社で遊ばなくなったあの童子は助かるかしら?」 シャラン、ドンドコ、ピーピーピー プープー、ベンベン、トントントン 天の川を、星屑を溢しながら進むその一行は、 夜空を切り裂く百鬼夜行ならぬ、八百万神夜行。 ゆっくりと花びらを舞い散らし、 ゆっくり、絹擦れの音を鳴らし、 ゆっくりと着物を風に靡かせて、 ゆっくりと風を舞い震わせて、 ゆっくりと時には雨を溢して、 ゆっくりと光を照らしながら、 これより六日かけて、船まで神々は歩き出す。 シャラン、ドンドコ、ピーピーピー プープー、ベンベン、トントントン
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