お店を救え

3/14
1451人が本棚に入れています
本棚に追加
/811ページ
『この本屋はなくなってほしくないよなあ』 沈黙を破ったのは、常連さんのお客さんの一人、ジムだった。 『もちろんだよ』 『じゃあなんかいいアイディアがないか、皆で考えてみようぜ』  別の客があたりを見回して言った。 『んだなー』 ジョンが一言。 その場にいた皆がイスを引きずってきて、ひとつのテーブルの周りに集まり話し始めた。 『アナ、僕、書記やっていい? 今お客さん少ないし』 ショーンが丸チェアを抱えてきて聞いた。 仕方ないわね、と言って肩をすくめるアナだが、顔は笑顔だ。 その笑顔に安心して、私と麻里も会話に加わった。 『ここって俺ら常連さんは何度も来るじゃない? そういう、また来たいなあという人を増やすんだよ』 『それにはどんなお客さんが来て、どんなニーズがあるか知ったほうがいいね』 と麻里。 『おぉ、顧客分析か。本格的だな』 客の一人が感心してうなづいた。 『まずは来てくれた人に聞くとか、、、?』 私がおずおずと言ってみた。 『どうやって?』 『あの、アンケート、、、?』 『Questionnaires のこと?』 と麻里。 アンケートって英語ではそういうのか。
/811ページ

最初のコメントを投稿しよう!