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呆れた、という表情をして麻里は両手を前に突き出して伸びをした。
「拾ってきてしまっていまさらそんなこと言ってもしょうがないよ。あとで貼り紙でもだそう?」
「うん、、、」
***
獣医によると、どうやら自転車か何かに轢かれたらしく、骨にヒビが入っているが時間をかければ完治するだろうとのこと。よかった。
「ネコ用のギブスなんてあるんだ」
「でも動き回るのがネコの性(さが)だからね。ちゃんとおとなしくしてくれるのかなあ」
「そうだね、、、」
「ま、とにかく、次は餌だよ餌」
「餌って、、、。ネコの食べ物と言ってよ麻里」
ネコどころか金魚すら飼ったことのない私。とりあえず麻里とスーパーに行って、キャットフードなるものを買う。
保険のきかない治療費といい、痛い出費だな。
「うわすんごい種類がある」
クッキーからシリアルから缶詰から、ほんといろいろ。包装もカラフルで人間様のとあまり変わらない。
「孤独な都会でネコを飼いたいって人は多いんじゃないの」
「そうなのかな、、、」
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