第1話

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初夏の侯 今日の帰りの会はやけに担任の松永の話が長い。 「後二週間でお前らにとって初めての定期テストがやってくる。 いいか?ヤマを張るなんてことはせずにきっちり計画を立て……」 そうか。 初めての定期テストが近づいてくる。 私は成績は可もなく不可もない…… フ ツ ウだ。 強いて言えば日本史が得意だ。 どーしよっかな……勉強めんどいなあ そんなことを考えているうちに松永の長い話は終わった。 「なにボーッとしてんの!!!」 べしっと頭をぶっ叩かれた。 「いったいな!!!!!!!」 とっさに叩き返した。 すると麗花はにかっと笑って言う。 「みぃ、帰ろ。」 これがいつもの私達。 小3の頃から一緒にいる私の一番大事な友達。 気を遣うことなくじゃれあって くだらないことで一緒に笑い、泣くときもある。 「麗花はさー、いつからテスト勉強始める??」 「えーどうしよっかな明日からやろっかな!」 麗花がそんなに早く勉強しだすとは意外だった。 「ねぇ、みぃ!深雪!サッカー部がこっちくるよ!」 「え、」 私達の歩いている畦道の向こうからサッカー部がくる。 マラソンでもしているのであろうか。 無意識にめまいがした。 「あ、田中じゃーん!」 そう。私は田中深雪。 二階堂が私に気づいてくれた。 それだけで胸がいっぱいになった。 恋愛初心者な私は突然現れた二階堂に がんばれー!とか気の利いたことが言えなかった。 「みぃ、顔赤すぎwwwwwwww」
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