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初夏の侯
今日の帰りの会はやけに担任の松永の話が長い。
「後二週間でお前らにとって初めての定期テストがやってくる。
いいか?ヤマを張るなんてことはせずにきっちり計画を立て……」
そうか。
初めての定期テストが近づいてくる。
私は成績は可もなく不可もない……
フ ツ ウだ。
強いて言えば日本史が得意だ。
どーしよっかな……勉強めんどいなあ
そんなことを考えているうちに松永の長い話は終わった。
「なにボーッとしてんの!!!」
べしっと頭をぶっ叩かれた。
「いったいな!!!!!!!」
とっさに叩き返した。
すると麗花はにかっと笑って言う。
「みぃ、帰ろ。」
これがいつもの私達。
小3の頃から一緒にいる私の一番大事な友達。
気を遣うことなくじゃれあって
くだらないことで一緒に笑い、泣くときもある。
「麗花はさー、いつからテスト勉強始める??」
「えーどうしよっかな明日からやろっかな!」
麗花がそんなに早く勉強しだすとは意外だった。
「ねぇ、みぃ!深雪!サッカー部がこっちくるよ!」
「え、」
私達の歩いている畦道の向こうからサッカー部がくる。
マラソンでもしているのであろうか。
無意識にめまいがした。
「あ、田中じゃーん!」
そう。私は田中深雪。
二階堂が私に気づいてくれた。
それだけで胸がいっぱいになった。
恋愛初心者な私は突然現れた二階堂に
がんばれー!とか気の利いたことが言えなかった。
「みぃ、顔赤すぎwwwwwwww」
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