晩夏のエピローグ・蝉噪
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晩夏のエピローグ・蝉噪
0/ 空に、沈んでゆく。 「知ってるよね? わたしは誰よりもあんたを疎ましく思っているんだ」 夏風に翻る真っ白なシーツと棚引く長髪。 一児の母とは思えぬ幼い目許と口許を憎悪に歪ませた母は、積年の恨みつらみを並べ立て――、 「ざまあみろ」 ほんの一瞬、清々しいほどの笑顔を咲かせて、晩夏の遠い空に落ちていった。
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