第2話

2/22
前へ
/161ページ
次へ
亜子の母である恵子(ケイコ)は、とにかくおしゃべりなタイプだ。 どうでもいい世間話を、ご近所の主婦友だちと平気で何時間もペラペラしゃべる。 そんな性格だから、すぐに誰とでも仲良くなり自分の娘である亜子の秘密さえ勝手に話してしまうので、亜子にとっては脅威の存在だった。 特に母の恵子と仲がよかったのは、お隣の鳴海家の奥さんだった。 鳴海さんは亜子の母である恵子とは違い、どちらかと言えば控えめな静かな人だったが、 何故かそんなふたりは馬が合ったようで、大抵はふたりでペチャクチャとどうでもいい話しに油を売っていた。 室井家は、父・母・3才年上の兄・亜子の4人家族。 鳴海家は旦那さんと奥さんと息子の健吾の3人家族。 亜子と健吾は同じ歳で、出会ってすぐに仲良くなった。   母親同士が仲良しなこともあり、必然的に家族ぐるみでの付き合いも多かった。 昔はあーちゃん、けんちゃんと呼び合った仲で幼稚園は手をつないで通った。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加