第1話

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室井 亜子 (ムロイ アコ) 31才 3月7日生まれのうお座。 血液型は几帳面で神経質に加え優柔不断なA型。 大学を卒業後、地元の出版会社に就職した。 現在は、雑誌の編集者として多忙な毎日を送っている。 亜子は、小さい頃からどこか冷めたところのある子どもだった。 幼稚園の年長のときのこと。 サンタクロースがいると信じている友だちのさっちゃんに、 「サンタクロースなんて本当はいないんだよ? さっちゃんそんな事も知らないの?」 と冷たく言い放ちさっちゃんと大げんかをした。 小学3年生のとき。 クラスで “ぶんちんさん” という一種の占いのような遊びが流行っていた。 白い紙に、あ~ん までの50音を平仮名で書いて左端の上に鳥井のマークを書く。  そして、何故か10円玉に数人で人差し指を置いて、 「ぶんちんさん、ぶんちんさん○○君には好きな女の子がいますか?もしいるのならその子の名前を教えてください。」 などの質問をする。 もし、答がNOならば10円玉は動かず。 答えがYESの場合にのみ10円玉が50音の平仮名を書いた紙の上で自然に動き出し、ぶんちんさんが質問に答えてくれる。 という何とも信憑性など全くないものだった。 くだらない。そう思っていた亜子は、 「占ってるときに10円玉から指を離したら、ぶんちんさんの霊に取り憑かれて呪われるらしい」 なんて噂をこっそりクラスに流した。 (※ この “ぶんちんさん” の占いのやり方は私の小学校で流行っていたやり方です。)    
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