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彼女の前世は間違いなく自由奔放な猫である。
「ねぇ、ねぇ!」
「どうしたんだよ、篠田さん。そんなに急いで」
3時間目の英語の授業が終わって10秒も経っていないのにオレの席までやってきた篠田さんは、目をキラキラと輝かせてオレの顔を覗き込んでくる。
人の顔を覗いた体制で上目遣いで話すのは彼女の癖だ。
そんなことは分かっちゃいるけど、不覚にもドキドキしてしまうのは、豪快に第二ボタンまで開けられているワイシャツからキレイな谷間がこんにちはしているからに違いない。
気にしてませんよ、なんて素振りをして見せるけど、きっと彼女にはバレバレだ。
篠田さんの色っぽい唇がキレイに弧を描いている。
「笹中くんってさ、中学の時チョコレートプリンスって呼ばれてたってホント?」
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