プロローグ

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眠い。 特に長い話は無い、この学校の入学式と始業式を合わせたような式。 「私たち新入生は─────。」 新入生代表のよくわからん話を聞き。 「解散してください。」 二十分程度の式もこの一言で終わり、教室に向かう。 えーっと、S組、ね。 一条永遠(いちじょうとわ)出席番号は二番。 階段から最も近いS組に入る。 一番左の前から二番目かぁ、んー、寒そうだな。 少しキョロキョロしてから席につく。もう殆どの人が席についているが、緊張しているのか喋っているのは数人だった。 とりあえず眠いんで、顔を伏せる。 「なー、名前なんていうの?」 「あ、俺?俺はねー、宮藤潤紀(くどうじゅんき)。そっちは?」 「おー、潤紀っていうんだ?私は因幡千鶴(いなばちづる)。潤紀って呼んでい?」 こいつ中等部にいなかったような。外部生か? 「わかってるわかってる。」 S組の中は、ピリピリとしている。その中で喋っている二人はかなり目立っている。 「ねー、君はぁ?何て言う名前なの?」 確か、因幡千鶴だったっけ。 「俺は、一条永遠だよ。君達は、宮藤潤紀さんと因幡千鶴さんだったよね。」
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