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前のセッションから一週間後の昼、僕は弁当を食べ終わったので、友達とモンハン4をしている。
ちなみに狩っているのはリオレウス希少種である。
毒爪止めてください、お願いします。
「……そういえば、理樹君が入ってるTRPG同好会って面白い?」
友達のうちの一人が僕にそう聞いてくる。
この人は桜田 葵。綺麗な黒髪に整った顏、すらっとした体。女子っぽいでしょ?
だが残念、男子である。
……容姿が完璧に女子なのだが。
……おっと、ブレス来た! 回避性能+2付けてるから避けれるけど。
「うん、楽しいよ。でも、どうして?」
「……僕、まだ部活決めてなくて……先生にいつも言われちゃうから……」
「それでそろそろ決めたいと?」
「……うん」
正直楽しい。そりゃあもう、キャラの成長のためだけに休みに皆集まったくらいね。
楽しいか聞いてくるって事は……。
「……今日来てみる? 見学してみてからでも遅くはないと思うよ」
「ほんと!? 行くよ!」
「あ、ああ……」
モンハンしながら目を輝かせてこっちを見てくる葵。
……凄く嬉しそうだね。何がそんなに嬉しいのだろう?
いやまあ、嬉しいならそれでいいんだけどさ。
……そういえば、何でこんなに懐かれてるんだろ?
確か……
回想(入学から三日後の理樹)
僕はいつも通り唯と登校してきて、教室に入ったんだ。
そしたら……
「ひぐっ……止めてよぉ……!」
「うるせーなぁ……男の癖に女っぽくてよぉ……」
「マジうざいんだっつうの……ほら、立てよ」
女子と間違えそうだったけど、学ランを着ている男子を複数の不良みたいのが暴力を振っていた。
僕はそれにイラついて、そいつらに近づく。
「ねぇ君達、何してるの?」
「んあ? 何だてめえ?」
「何だ? いじめを止めようっていうヒーロー気取りかぁ? そういうのうぜえんだよ!」
「っ!?」
僕がイラついている表情でそう言うと、その中の一人の不良が僕に殴り掛かってくる。
いじめられている男子はそれを見て何か叫ぼうとしているが、上手く声が出ないみたいだ。
まあ別に……
「がっ!? はぁっ……」
「……はっ?」
「ねぇ、もう一度言うよ……何してるの?」
その程度の拳じゃあ、カウンターの餌食になると思うけど。
僕はその拳を受け流し、腹に膝蹴りを入れる。
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