セッション5

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「それでは、チームを作って試合を始めてくださーい」 前のセッションから一週間後の五時限目、僕達は体育でバスケをしている。 というかやり始めだけどね。 『おーい理樹! こっちに入ってくれよ!』 「あーうん、分かった」 男子数人にそう言われ、そのチームに入る。 まあ、別に適当でいいか。昼飯食った後だからあまり動きたくないし。 「あ、なら私も入るよ!」 『ま、マジで!? ヒャッハー!』 「……何て分かりやすい……」 すると唯もこっちのチームに入ってくる。 そして喜び叫ぶ男子。 僕はどうでもいいんだけれどもね。 「あ、僕も入っていいかな……?」 『勿論!』 「わわっ!?」 そして葵も入ってくる。 男子の返事に驚き、僕の後ろに隠れる。 やっぱりまだ慣れてないのかな……? 僕には普通にくっ付いてくるけど。 「チームが決まったなら試合を始めてくれ」 『分かりました!』 そんな感じで試合は始まった。 「唯、パス!」 「任せて!」 何やかんやで試合時間の半分が経った。 ちなみにこっちが勝ってます。一応身体能力は高い方だし。 何よりも唯が強い。 なので基本任せてます。動きたくないし。 ていうかあんな大きい胸を持ちながらも身体能力が高いってどういう事よ? 男子追い付いてないし。 「葵、パス!」 「わわっ……えいっ」 唯が葵にパスすると、葵は入れようとして投げるが、リングに弾かれる。 ……仕方ないなぁ……。 一応葵がミスった瞬間に動いてたし。 「ふっと……よっ!」 僕はこぼれ球をリバウンドして、一回ドリブルしてからシュートする。 そしてゴールに入る。ここで入らなかったらかっこ悪かったね。 「うぅ……ごめん……」 「大丈夫だって、ミスは誰にだってあるし」 「う、うん……」 しょんぼりしている葵を励ます。 ミスは誰だってやるもの。それにしょんぼりしてたって何も始まらないしね。 『ね、ねぇ……さっきの見た?』 『理樹君が葵ちゃんを励ますの……でしょ?』 『ありね……やばい、誰かティッシュお願い』 そして待機しているそこの腐女子は何を言っているんだ。
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