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:プロローグ:「終わりの国」
僕はどうすることも出来なかった…
この帝国が太平洋戦争で負ける事は分かっていた…
しかし、アメリカは日本との戦争へ核兵器を使用した…
日本の大都市…東京、京都、広島、新潟、宮城へと…
国の人口の半分は死に絶え、2割は重体者もしくは重症者と言う状況で僕達ーー。
日本は密かに計画していた"地下居住区"へと入り生き残った人々は…生活を開始した。
僕も家族全員を失った…もう生きる気力なんてない…いっそこのヘルメット型マスクを取れば…核の被曝で死ねる…そう思っていた僕に彼女はこう言った「大ちゃん……もう私たち何もないけど……でも、生きてるよ!」
彼女は僕に向かって笑かける。
「……雪……僕決めたよ……この帝国を再生させる……その手伝いをして欲しい…駄目かな?」僕は自信無く言うと彼女は。
「ふふふ……忙しくなるわね。これからの働きに期待してるね大ちゃん」
彼女はそう言うと
「…大ちゃん…帝国は……世界に見捨てられたんだよね?」
彼女は悲しそうにその小さな体を強張らせる。
「…あぁ…だから僕達は静かに…この世界の干渉の届かない国を作ろう」
ーーー西暦1945年:大日本帝国崩壊の年ーーー
僕達が支配されていた大日本帝国が崩壊し、僕達が"支配する"帝国が誕生した年である。
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