第1章日本のその後

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「祖父と俺」 ーーー西暦2015年帝国歴70年4月ーーー 「えー…そのため、我々東和帝国(トウワテイコク)は大日本帝国より改名し 新たな地下居住区へと生活の場を移し現在の地下居住区が我々の本国である"土竜(モグラ)"だ」 講師が黒板を指でなぞると、机に教師がなぞった文字が生徒達の机に常備されている端末に転送される。 「そしてこの人造軍事都市"アイリス"を含む五つの人造都市 北側[スノーア] 東側[イーガス] 中央[アイリス] 西側[サスノア] 南側[シャール]は 西暦1960年に作られ地上の管理、別国の船や戦闘機の監視を行っている。 しかも、このアイリスは五つの都市の要であり、この国立中央軍師館への入学も優秀でなければ入れない…君達の中からこの軍のトップに名乗りをあげるかもしれない、期待しておるよ?」と講師は生徒達を見ながら言う。 俺はその授業を右耳から入れて左耳から流していた。 そんな俺に隣の席の青髪で中性的な顔立ちの少年が俺に話しかけてくる。 「雷(ライ)…この後、授業サボらねぇ?」と俺、飛騨 雷(ヒダ・ライ)はその少年に眠そうな声で応えた。 「あぁ…、食堂の場所寝ながら考えようぜ?」と雷が言うとその男の子。白坂マキト(シラサカ・マキト)が笑いながらオッケーと静かな声で言う。 ********* 俺とマキトは講義が終わると屋上で昼寝を楽しんでいた。 「雷~。午後の実技講習どうする?」とマキトは横に寝ている俺に言う。 「…別にサボっても問題はねぇだろ」と俺が言うと突然それを否定する声が降ってきた。 「何言ってるの?サボるなんて許さないわよ」 そこには先ほど講師や生徒達の注目の的だった岬 あおいが仁王立ちでたっていた。 「…あおい。パンツ見えるぞ」 俺が言うとおっ?!とマキトは喜びの顔を浮かべ、岬 あおいはひっ?!とスカートをギュッと押さえつける。
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