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「ねえ、久しぶりに来たんだしゆっくりしていきなよ……」
横に座った彼女は、そのまま俺の胸に身体を預け、色っぽい表情で見つめてくる。
『いや、今日はもう帰るよ
仕事の準備もあるし、それに……』
彼女の表情が少し寂しげなものに変わっていくが、あまり見ないようにして、彼女の身体をグッと押し戻しながらベッドから立ちあがった。
何か言うこともなく、先ほど淹れた紅茶を口にする彼女を背に支度を済ませる。
『泊めてくれてありがとな、また連絡する』
「うん、またね……」
彼女の方を振り返ることもせず俺はその部屋を後にした。
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