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「それは違うな。誘拐犯が、何故、矢崎まで殺す必要があるだ」
「それは分かりません。しかし、矢崎と石墨が密会をした後に、2人は殺されています。つまり、今回の殺人事件には、その密会が大きく関与していると思うんですよ。密会で何があったのかを徹底的に洗えば、何か出てくると思いますね。どうです、木内さん、僕の推理は?」
金子が、鼻息を荒くして意気込んだ。
「そしたら、今日はそこを中心に聞き込みをしてみるか」
「そうしましょう。所で、埼玉にある矢崎の自宅に、何度電話しても繋がらないんすよ。夫人と二人暮らしをしているようなんですが、夫人の行方がつかめないんですよ。それに何故、夫人は、捜索願を出さないんですかね?殺されてからもう4日も経ってるんすよ。おかしくないっすか?」
「そうだな、4日間も連絡がないのに、放っておくというはおかしいな…」
「若しかして、今流行りの熟年離婚ってやつですかね。定年後に、急に三行半を突きつけるらしいですね。木内さんも、気を付けてくださいね。捜査ばかりで家族を放っておいてばかりいると、熟年離婚ってことになっちゃいますよ」
「喧(やかま)しいわい。俺の所は大丈夫だ…と思うけんどなぁ。そういえば、最近、かみさんの機嫌が悪いなぁ。今夜辺り、ケーキでも買って帰るか。。」
木内は、妻の顔を思い浮かべた。
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