9/12
前へ
/235ページ
次へ
「それ以来俺は拒食症になったんだ。」 あの時の恐怖が消えなくて拒食症は中々治らない。でも当時よりは食べられるようになった。 「で、俺を連れ出した人達がどうなかったかは知らない。」 あれから何度もお父さんに聞いても答えてくれない。お前は知らなくていいとしか言ってくれない。 「こんな俺とでも一緒にいてくれる?」 こんな話聞いて一緒にいてくれるのかな。 「もちろん。明日から一緒に学校行こうって約束しただろう。」 堀口君は笑って言った。 「うん。」 よかった。いつも三人で学校に行ってるけど二人の間には入れないから嫌だったんだよな。 「ただいまー」 「「お母さんだ!」」 俺と夏樹は声を合わせて言った。そういえばお母さんたち今日帰ってくるって言ってたな。 「俺も帰って来たぞ。」 「ただいま戻りました。」 「「兄さんたちも帰った!」」 やっぱり。みんな帰って来た。 .
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加