10/16
前へ
/235ページ
次へ
早速春樹は漫画を一冊取ると用意した椅子に座った。 昨日家に来ると約束したので用意したのだ。その方が春樹が読みやすいと思ったからだ。 「堀口君。」 朔のお兄さんである秋樹さんが俺の名前を呼んだ。 「はい?」 どうやら秋樹さんは漫画を読みに来た訳じゃなさそうだ。 「君、春樹のことどう思ってますか?」 いつも冷静な感じの人なんだけど、今日は特に真剣な顔だな。 「どうって。好きですよ。一目惚れしたんです。」 そういっても秋樹さんの表情が変わらない。 「君は春樹を守ってくれるのか?もうあんな思い絶対させないでくれるか?」 秋樹さんは辛そうな顔で言った。あんな思いって誘拐された時のことだよな。 「はい。」 俺は絶対そんな思いをさせない。 「いつもそばに居てやってくれるか?」 また、秋樹さんは辛そうな顔で言った。 「はい。もちろんです。」 俺は絶対春樹を一人にさせない。ずっとそばに居てやる。 .
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加