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そういうと秋樹さんはいつもの冷静な顔付きに戻った。
「春樹は一人でいる時が多いけど本当は一人は嫌いみたいだからいつも側に居てくださいね。。」
「えっ。」
一瞬。本当一瞬だけにっこりと冬樹さんが笑った。その笑顔は春樹にそっくりだった。やっぱり兄弟だな。
だがまたすぐにいつの冷静な顔付きに戻った。
「でも僕より春樹を激愛してる人いるから頑張ってね。」
玄関に向かいながら冬樹さんは言った。
「…誰ですか。」
大体予想出来るけど一応聞いておかないとね。
「兄さんです。」
靴を履いて俺の方を向いて冬樹さんは言った。
「そうですか。」
やっぱりそうだったか。
段差があって俺より背が低くなっている。…お父さんに似てるって思ったけど結構可愛い顔でもあるよな。
「じゃあ僕は帰るよ。悪いけど春樹は家まで送ってきてね。」
…ブラコンはお父さん譲りみたいだ。
「はい。」
そうして冬樹さんは帰ってしまった。
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