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扉からは冬兄さんが出てきた。 「冬兄さん。どうしたの?」 冬兄さんは俺の肩に手を置いた。 「もちろん帰ってくるの待ってたんだよ。それにしても遅かったじゃないか。」 俺を自分に向けさせてから冬兄さんは言った。 「そう?」 まだ暗くなってないし、朔と一緒に帰ってきたから心配いらないと思うけど。 「そうだよ。心配したんだぞ。さ、早く入ろう。」 片手を俺の腰に回して冬兄さんは言った。 「待って。朔、何か言いかけたよね?」 俺は冬兄さんの手を払い朔の方を向いて言った。 「いや、もういいんだ。」 「そう。」 朔は場が悪そうに笑った。一体何言うつもりだったんだろう。 「じゃあまたな。学校行くとき迎えに来るから。」 そっか、また一緒にいれられるんだね。 「うん。またね。」 そうして朔は帰って行った。俺は冬兄さんと家に入った。 .
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