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例えば目は、
その二つの網膜に映る絵のずれから、
立体感を認識することができるという。
耳は、
その二つに届く音のわずかな時間的ずれから、
方向を認識することができるらしい。
どちらも顔の限界まで距離をおいて存在することで、
能力を発揮しているが、
ではなぜ鼻の穴だけが顔の真ん中にふたつ、
寄り添うように存在しているのだろう?
鼻は、
目や耳のように小細工をしなくても、
充分その能力を発揮できるということなのだろうか・・・。
宇崎の団地から、
犯人の匂いを追って歩き始めてから、
かれこれ三時間になるだろうか。
ふたりは第三京浜の川崎インターの入口に立っていた。
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