第2話

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
出会いには、やっぱりタイミングがあると思う。 私が本気の恋愛がしたいと思った時にやっぱりそういう相手を探してた麻由と出会った。 それだけで特別な感じがしたし、私は今までに会ったことがないタイプの麻由に、普通の異性にはない安心感と、他人から同性同士だってばれないかというスリルから来るドキドキに、すっかり夢中だった。 それは自分が知らないビアンの世界を覗き見るドキドキが混ざっていたのかもしれないけど、東京に独り暮らしする麻由のマンションに行く事は私が忘れていた人生を楽しむ心を思い出させてくれた。 実際は女の子だっていうのも気兼ねしないでいられる理由だった。 襲われて子供ができるとかそんな心配は無かったし、結婚とか面倒な事を考えなくていいし、その時を楽しむだけでいい。 私は友達以上恋人未満な麻由との付き合いが楽しくて仕方がなかった。麻由は私を「彼女」として扱ってくれたし、一緒にいて心地よくてくすぐったかった。 そうして恋人未満な関係のまま、私達は毎週会うようになっていた。会うのが当然で、会わないなんて考えられなかった。 子供がいてそんなに出られない私が子供と暮らす県営住宅に麻由はわざわざ会いに来てくれた。 東京と茨城、けして近くなかったけど、麻由は愛車のアメリカンバイクでやって来ては、日曜の夜に帰って行く。 資格試験の勉強をしてるから余裕のある付き合いがしたいと掲示板に書き込んでいたはずなのに、麻由は時間があれば私の所に来てくれた。 ネットでなければけして出会わなかっただろう存在で、一緒にいることが当たり前だとは思えない相手。 息子とも自然に向き合ってくれた。 多分、ホントは女だから子供とも最初から仲良くふれあえるんだろうな、なんて思って見てたけど、ありがたかったし神様が出逢いを与えてくれたんだって、本気で思った。 だから、決断しなくちゃいけないと思った。紹介所から紹介されていた中で、何度かデートをしている相手がその時には二人いた。 一人は優しくて本当に私を目の中に入れても痛くないと言うほど大切に扱ってくれる一流企業勤務のサラリーマン、高橋 光輝さん。 もう一人は大学で助教授をしている山本 庸介さん。 どっちも嫌いではないけど結婚を考えるにはまだまだ分からない所だらけで悩んでいた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!