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いざ、決戦の、日曜日。
て、いっても、そんなたいしたもんじゃないけど。
ただ、遊びに行くだけだ、あまり緊張しすぎることもないだろう。
僕はそう自分に言い聞かせ、精一杯のお洒落をして家を出た。
実は、サチとはそう家は離れていない。確かバス停一個分。
この辺りじゃバス停なんてそう離れた位置にはなくて、結構沢山、近距離で設置されてたりする。
僕はあえてバスには乗らなかったけれど、それでも十分歩いていける距離だった。
歩きながら、そわそわする。
うまく話せるだろうか。
サチのお父さんは頭も良いし難しい仕事をしてるみたいだし、厳格なイメージだから、不安だ。
深呼吸を繰り返し、気持ちを落ち着けてみたけど、やっぱりダメだ。
こうなりゃもう、当たって砕けろだな、なんて思っていたら、サチの姿が見えた。
「あ、葵君!」
手を振るサチ。
バス停の横。迎えに来てくれたのだ。
僕は軽く手を上げて、その笑顔に応えた。
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