未完成

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「あ…あった…!!」  僕は受験番号の書かれた紙を握りしめて、わなわなと震えていた。  あった。  あったのだ、僕の番号が、合格者の一覧の中に。 「天君!!」  向こうからサチが駆け寄ってくるのが見えた。 「私、受かってた!!天君は?」 「僕も、受かったよ」 「本当に?嬉しい!」  これで、高校も一緒だ。  僕は人目があるのなんて気にする余裕もなく、ただただ嬉しくてサチを抱きしめた。 「ちょ、ちょっと、天君…っ」  サチが真っ赤になっているのがわかる。  けれど、今は離したくなかった。  あまりにも、嬉しすぎて。 「良かった…ホントに、良かった…!」  色々あって受験勉強がなかなか進まなかった僕は、正直受かる保証なんて全くなかった。  だけど、がむしゃらになって勉強したかいあって、見事に合格することが出来た。  サチと同じ学校。  お母さんと、お父さんが通っていた、思い出の場所。
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