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如音女学園の高等部に所属する私、一条結佳は普通の女子である
別にこれと言った特技もなければ、友達の人数も並ほどである
胸のサイズも小さくなければ大きくもない普通だし、身長もそれほど高くない
いろんなものが並の私である
外も雲ひとつない晴天で、私の気分も明るくなる
「晴れかー…」
洗濯物とか早く乾くだろーなー
窓の外を見るとふとそう思った
一人暮らしの悲しい思想だ
「そろそろホームルームかな」
黒板の上の時計を見ると八時半を指している
そして、チャイムがなり、その数分後担任の諏訪先生が入ってくる
諏訪先生は去年こっちに赴任してきた先生だが驚くほどに人気が高い
「おら、騒ぐな」
四月も半ばというのに黄色い歓声が諏訪先生を包み、先生は鬱陶しそうに騒ぐ女子を静止する
今気付いたが左手薬指にはエンゲージリングがあるのでどうやら結婚しているらしい
「今日は皆さんに殺しあ…っけねーバトルロワイヤル見たあとだからついやっちまうとこだった」
諏訪先生が物騒なことをいいそうだったったが頭を掻きながら訂正する
「今日は転校生が来たんだ。おら!入れー」
囚人かッ!
というツッコミをしたくなったが我慢する
そして、教室の戸がガラッと音を立て、その白い長髪を靡かせながら美少女が入った
いや、これは私の語彙力が弱く、ありきたりな『美少女』という表現しか出来ない悲しいのが、本当に美少女だ
本当に美しく、見蕩れた
諏訪先生が黒板に『黒井真奈』と書く、『くろいまな』と読むのだろうか
「おら、自己紹介しろ」
諏訪先生が彼女に自己紹介を促す
「はい」
しんとした教室に凛とした美声が響く
「私の名前は黒井真奈です。よろしくお願いします。」
そして、黒井さんは担任が何かを席を示す前に空いている私の後ろの席に座る
諏訪先生は『また厄介な奴が来たな』とこめかみを抑えているが、私の後に黒井さんが居ると思うとドキドキしてそれどころではなかった
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