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あまりの美少女に声をかけるのも躊躇われるが、折角後ろの席にいるのだ。仲良くなってもバチは当たらないはずだ
「え、と黒井さん?」
「なに?」
緊張しがちに声をかける私に鬱陶しそうに見る黒井さんは半端ない
眉間にシワを寄せていてもビックリするほど綺麗だった
「いやあの前の学校どこかなって」
「はぁ?なんでそんなことアンタに言わなきゃならないの?」
「いや、えっと」
黒井さんは溜息を吐いた
「遊鉄第二高校に通ってた」
「え、え!?遊鉄第二!?」
遊鉄第二ってあのエリート高の?
「ねぇ、驚くくらいなら聞かないで欲しいんだけど?」
「あ、うんごめん」
私はその鋭い眼光に一歩退いてしまう
いや、座ってるんだけど
「用ないならもういい?」
「あ、はい」
私はおずおずと引き下がる
ううっ!黒井さんッ!恐ろしい子ッ!
と内心決めてみるがホントに恐ろしい子ッ!だった
「ねぇ、アンタ」
私が打ちひしがれて机の木目をゆっくりと数えていると後ろから声がした
誰だろうと振り返ると黒井さんしか居なかった
「名前、教えてもらえる?」
名前、覚えられてないのかーとガックリしたが転校して一時間も経っていないので当然か
「一条結花だよ」
「そう」
表情には出さないが、照れたように窓の外を見る黒井さん
うっ!可愛いッ!
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