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1限目の途中黒井さんはトイレに行くと言ってそれっきり帰ってこなかった
ちなみに今は、3限目で化学である
化学といえばあの諏訪先生だった
あああ、黒井さんが殺されてしまう
そう考えたらいてもたってもいられなくなった訳で私は気が付けば手を挙げていた
「先生ッ!」
「あ?」
諏訪先生は溜息を吐いた
「トイレか?行ってこい」
「あ、はい」
クラスメイトからパラパラと笑いが漏れるが、人命がかかっているのだ。そんなもので臆するものか
私は早足で教室を出てサボっていると思われる黒井さんを捜し始めた
「屋上かなー…」
私はなんとなく屋上に続く階段を登り鉄製の扉を開ける
まだまだ春らしく桜の花びらが舞っている
だが、そんな華やかな光景の中で白い髪が揺れている
黒井さんはベンチに座ったままうたた寝していたようだった
私も黒井さんの隣に座り寝顔を伺うことにする
「可愛いなー…」
羨ましいなー…
「そうだ!」
ほっぺたをつんつんしてやろう
そう思い立ち人差し指で黒井さんのほっぺをつついてみるとハリのある柔らかな弾力にイケナイ快感を覚えてくる
「柔らかい…いいなー…」
私もこれくらい顔が良かったらなー…
私が夢中でツンツンしているとジトっとした視線を感じた
「ねぇ、アンタ」
黒井さんが私を物凄い目で睨んでくる
そこらへんのちっこい蠅なら殺せそうだ
「アタシの顔に何してんの?」
うわぁー起こしてしまった
「えーとー」
どうすれば、この場を切り抜けられるのーー!?
だが、パニクる私の言動は次の悲劇を産む
――予感がする
「べっ別にあんたのことなんて好きじゃないんだからね!!」
はいやらかしたー
黒井さんの視線が痛いっ!
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