2.本番

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天風との対戦の前の日、陣平と瀬織は出発した。 出来ることはやったが、活動速度は一時期伸びたものの、その後はあまり延びてない。 天風の言葉通り、時速150キロでの活動なら、そこそこついていけるだろう。 それがブラフなら、危険だ。 島に、やはり巡視船で向かう。 すでに周りには中丹国の船が2隻、浮かんでいる。 島は平地がキチンと作られていた。 平地の広さは野球場よりも広い。 船着き場もあるが、例により、陣平と瀬織はボートで接岸した。 平地はよくならされ、土は固めてある。 大がかりな工事がされたようだ。 瀬織はボートを降りると、 「あらかじめ、落とし穴でも掘っておけばよかった。」 と言う。 陣平は、あはは、と笑った。 「あちらが実効支配してる島だから、無理だよ。」 「わかってるわよ、それだけにあなたも罠に気をつけて。」 2人が船着き場から平地に上がると、まだ誰もいなかった。 陣平も、瀬織も、手ぶらではない。 リュックを背負っている。 陣平はリュックから水筒を出して飲んだ。 「来たかな?」 すぐに、人影が現れた。 5人だ。 1人は天風、もう1人は劉公才、そして、量産型ながら精鋭の、意志の鎧使い2人と、スキーの目出し帽のような、布地の覆面の人物だ。目の部分にはサングラスをしており、顔は見えない。 陣平は、覆面の人物のオーラが、どこかで見た気がした。 「前にどこかで…」 思い出せない。 劉公才が瀬織と、短い挨拶を交わした。 劉公才はあらためてルールを確認する。
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