9人が本棚に入れています
本棚に追加
「核兵器、ガス兵器は禁止、
島に多大な損害を与える爆薬やミサイル、艦砲射撃も禁止、
手に持てない大きさの武器の使用も禁止、
降参は白旗をもって行う。自国側スタッフが白旗を掲げても負け、死亡した時点でも負け。
そして、この平地のエリアから出ないように。
後は、なんでもあり、だな。」
陣平と天風は、白い布を1枚ずつ渡された。ポケットにしまう。これを振れば降参だ。
陣平も天風も、コンビニに買い物にでも来たような平服だ。
瀬織は確認した。
「それだけ人材を揃えたと言うことは、全員でかかってくるわけ?」
劉公才は苦々しい顔をした。
「はなから出す気はないが、国の命令でな。
勝てないようなら、なんでもやれと言うことなのだ。分が悪くなったら、出す。
そちらもそのつもりで、出すべき手は出してくれ。
こちらだけ多人数でかかるのは、気分が悪い。」
瀬織はニタリと笑った。
「正直すぎる。武人なのね。
こちらも、いよいよになれば、手を出すわ。
いいの?史上最強のアタシなのよ?」
劉公才は表情は変えなかった。
「構わない。覚悟はできている。」
「そういうなげやりな覚悟は嫌いだわ。」
天風は陣平に握手を求めた。
「陣平君とはやりたくなかったな。」
「俺もさ。だから、殺しはしないよ。」
「殺しちまったらごめんな。」
両陣営は、別れた。
各々、距離をとる。
瀬織は陣平に
「やばそうなら、逃げてよし。
白旗も出してよし。
命あってのこの次だから。」
と言うと、軽くハグをした。
陣平は、ニタ、と笑った。
「そう簡単にはやられない。」
リュックを降ろし、手をふると、平地の真ん中に向かって歩き出す。
野球場よりも広い平地の中心に、天風と陣平は、10メートルほど離れて対峙した。
劉公才が、合図のために、空に拳銃を発砲した。
最初のコメントを投稿しよう!