2.本番

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「核兵器、ガス兵器は禁止、 島に多大な損害を与える爆薬やミサイル、艦砲射撃も禁止、 手に持てない大きさの武器の使用も禁止、 降参は白旗をもって行う。自国側スタッフが白旗を掲げても負け、死亡した時点でも負け。 そして、この平地のエリアから出ないように。 後は、なんでもあり、だな。」 陣平と天風は、白い布を1枚ずつ渡された。ポケットにしまう。これを振れば降参だ。 陣平も天風も、コンビニに買い物にでも来たような平服だ。 瀬織は確認した。 「それだけ人材を揃えたと言うことは、全員でかかってくるわけ?」 劉公才は苦々しい顔をした。 「はなから出す気はないが、国の命令でな。 勝てないようなら、なんでもやれと言うことなのだ。分が悪くなったら、出す。 そちらもそのつもりで、出すべき手は出してくれ。 こちらだけ多人数でかかるのは、気分が悪い。」 瀬織はニタリと笑った。 「正直すぎる。武人なのね。 こちらも、いよいよになれば、手を出すわ。 いいの?史上最強のアタシなのよ?」 劉公才は表情は変えなかった。 「構わない。覚悟はできている。」 「そういうなげやりな覚悟は嫌いだわ。」 天風は陣平に握手を求めた。 「陣平君とはやりたくなかったな。」 「俺もさ。だから、殺しはしないよ。」 「殺しちまったらごめんな。」 両陣営は、別れた。 各々、距離をとる。 瀬織は陣平に 「やばそうなら、逃げてよし。 白旗も出してよし。 命あってのこの次だから。」 と言うと、軽くハグをした。 陣平は、ニタ、と笑った。 「そう簡単にはやられない。」 リュックを降ろし、手をふると、平地の真ん中に向かって歩き出す。 野球場よりも広い平地の中心に、天風と陣平は、10メートルほど離れて対峙した。 劉公才が、合図のために、空に拳銃を発砲した。
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