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天風は、にや、と笑った。
「当たったら死ぬじゃねーか?
しかし、そいつは、長いこと使えないって知ってるぜ。」
陣平は霊服を通常のテレビバージョンに戻す。
「気がもたないから、仕方ない。」
上空から降りた。
再び対峙した。
陣平はすぐに周りの地面にキックを叩き込む。
地面がえぐりかえった。
ならされた平地がなくなるほど、あちこちにキックをする。
スラリに言われて気がついた作戦だ。
障害物があろうがなかろうが、作ればいい。
天風は気づいた。
「そりゃまずい。速度が出せなくなる。」
天風は腕から気の刀を成形した。
シズカの刀に似ているが、ずっと大きい。
切りかかる。
陣平は、引きつった笑顔を顔に浮かべた。
「これはヤバイ!
やはり兄妹だな!」
でこぼこになった地面が邪魔で、天風は速度が出ない。地面を、蹴って動いているからには、地面の不安定は速度に直結する。
慣性制御もしているが、天風のそれは充分ではない。
方向転換の際に、速度を大きく落とさずに済む役割はしているが、陣平ほどではない。
よって、周りの地面の盛り上がりを弾きながら、移動する力はない。
地面に頼らない陣平は速度が落ちない。邪魔な地面の盛り上がりを弾き飛ばしながら移動できる。
陣平は紙一重で避ける。
天風はいらだった。
「ちょこまかと!ゲームとおなじだな!」
「切られてたまるか。」
だが、ここで天風は本気になった。
「しゃあねー!本気出すぞ。」
ゴバッと音がする。
天風の鎧がさらに大きくなった。
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