2.本番

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だが、 「がはあ!」 天風が、弾けとんだ。 瀬織が霊服の気でできた羽衣の帯を伸ばし、天風をどついたのだ。 帯に見えるだけで、威力は電柱でぶん殴られるのと変わらない衝撃がある。 「しょーがないから、手を出しちゃったわ。」 瀬織は、陣平の後ろに立っていた。 ジェイクンが、なにかを告げたが、霊服が弱っており、不明瞭だ。 「ちゅ…きん、7…」 聞いてる陣平は激痛でそれどころではない。 天風は起き上がる。 ダメージでふらふらだ。 「こいつは、まいったな…。 瀬織さんが出てきちまったか。」 天風は後退して杉崎の方に戻った。 陣平の霊服は、ほとんど消えた。 その隙に、瀬織が陣平を後ろから抱き抱えた。 「陣平ちゃん、ちょっと痛いわよ。」 後ろから陣平の左腕を抱えるように支え、ぐりん、と、前に回すように持ち上げて肩をはめた。 「うぎゃ!」 がくん、と外れた左肩がはまった。 「骨のヒビは治してる暇は無さそうね。 痛み止めできるかしら。」 瀬織は陣平の神経を麻痺させる処置を始めた。 陣平は、しゃべる余裕が出てきた。 「サンキュー、姉さん。 あちらは杉崎に充電してもらって、満タンで続行かな?」 「負けそうね。」 「左腕は使い物にならないしな…。 とにかく気を注入してよ。 どうすりゃいいのか、手はないけどさ。」 瀬織は、ふふん、と笑った。 「手はある。アタシがやる、って最終奥義が。」 その時、瀬織は周りの異変に気がついた。 「気配?」 パパパパパパ、と音がした。
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