2.本番

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瀬織は、舌打ちした。 「ちっ!しまった!」 劉公才が、叫んだ。 「やめい!まだお前には無理だ!」 だが、天風は、飲み下した。 「さあ!これで俺は!」 天風は、そう叫んだが、地面に倒れて海老のように体を丸め、悶絶した。 「うがああああ!」 瀬織と陣平も走り出した。 陣平は、足をひきずっている。 劉公才が天風のところに着いて、地面でのたうつ天風にかがみこむ。 「まだ、お前には仙丹を受け入れる下地がない! なんて無茶を!」 瀬織たちもそこについた。 瀬織がかがんで、天風の腹に手を当てた。 「もう取り出せない。融和してるわ!」 杉崎は、かがみこんだ。 「吸いとればいい!」 杉崎は、天風に手をあて、気を吸い取り出した。 収まる気配はない。 瀬織は、杉崎を止めさせた。 「杉崎、無理だわ。 体の変遷が始まってる。 手を出さない方がまだマシね。」 劉公才は、うなだれた。 「こんな馬鹿な真似をするとは。」 瀬織が劉公才に聞いた。 「仙丹を杉崎に作らせたのは、あなたでしょ?いずれ使うつもりだったのね。」 「そうだ。充分に子を成して、修行を積んでから、使うはずだった。」 「仙人になるってことは肉体を捨てること。 死なないと言うことは、生きていないということ。 急激に仙人になろうとするのは、自殺と変わらないわ。中丹国の仙術はそんな低レベルではないはず。キチンと継承されてないのかしら? ま、アタシも陣平を仙人にするつもりだから同じ穴のムジナだけど、仙丹は使わない。」 瀬織は天風には、やれることがないので、陣平に気を注入し始めた。 天風は意識を失ったまま痙攣している。
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