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莫大な気の塊を取りこんだため、全身の気の通り道である経絡を通じて気が暴れまわり異常に活性化、沸騰して肉体を焼いている。
瀬織は、誰にともなく、話した。
「簡単にいうと、人間のメルトダウンという状態で、手の打ちようがない。
収まった後に、状態に応じた対処をするしかない。
しばらくは動かさないでおきましょう。」
杉崎は、半べそをかいていた。
陣平は回復した。
気が戻っただけで、肩の痛みやヒビの入った骨、ふくらはぎの傷は治ってない。
陣平は霊服を張り直した。
劉公才も、とにかく、気絶している量産型意志の鎧使いの2人を抱えあげ、天風の横に寝せた。
気が戻り、作動を再開したジェイクンが警告をしてきた。
『接近者1名。』
陣平は、顔をあげた。1人で歩いてくる男を見つけた。
男は陣平達の前に来て、立ち止まった。
「ふはははは、今なら俺でも勝てそうだな!」
男はクソガだった。
陣平は、何を言っているか、言葉がわからない。
キョトンと彼を見る。
「なんで、ここにクソガが?」
クソガは、大きくうなずいた。
「日本語はわからないが、言いたいことはわかる。
俺は中丹国政府に見込まれて、船に乗せてもらったのだ。
あの屈辱をはらすためにな!
俺の勝利の動画をネットに挙げたのだが、あれは疑惑だ、うそだと、ネット上でいわれのないそしりを受けている!
これは屈辱だ!
日本の猿に俺が負けるはずがない。
そこで、今、貴様が疲弊している今なら倒せる。今なら今こそ今だけ!
そして、俺はエベルキンの真の英雄になる。」
陣平はとりあえず、無視した。
クソガが、地団駄を踏んで訴える。
「無視するな!聞け。」
瀬織に、陣平は聞いた。
「なにいってるの?この人。」
瀬織も、天風の様子を見ながら、片手間に答えた。
「なんか、またあなたと一戦やりたいらしいわよ?」
「面倒な…。」
陣平は、うんざりとクソガを見た。
クソガは、やる気になっている。
「来ないなら、いくぜ!」
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