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地下道場で、実際に速い速度の組手をしてみた。シズカとハカセは、部屋の隅に下がる。シズカは霊服を出して、ハカセをかばうように前に立つ。
相手は瀬織だ。
「アタシも速度アップしてるから、なんとかなるでしょう。」
陣平は霊服を張った。
「いっくよー!」
ハカセには2人が消えたように見える。
速すぎて、残像はあるのだが明確な動作がわからない。
シズカの後ろから、特殊なスピードガンで速度を計測する。
「時速120キロくらいだな。まだまだということか。」
無尽蔵にエネルギーを使える瀬織と異なり、陣平は3分ほどでバテた。
2人は止まる。
瀬織は頭をかいた。
「アタシもここまでしか速くならない。
精進しなきゃ。」
陣平は瀬織に抱きついた。
「ネーサン、気をおくれでないかい。」
「今、あげるわよ…あら?」
瀬織はスゴイ勢いで気が吸われるのを感じた。
陣平が瀬織から吸いだしている。
瀬織は驚いた。
気を取り込むのも、能力のうちだ。
「吸い取る能力がこんなに上がってるとは…」
陣平は、補給を完了した。
「うん。体力回復した。ありがと。」
陣平は離れた。
瀬織は陣平の顔を見た。
「あなた、脳や体の神経を太くしたら、態度も太くなったわ。その関係で気の吸収力も上がったのかしら?」
「わかんない。何となくできるようになったよ。」
陣平は子供のように瀬織を見返す。
才能が、解放されつつあるのか?と、瀬織は考えた。性格が邪魔していたのかと思う。
人間は持てる能力を、性格で潰している場合は多い。
そのタイプなのだろう。
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