居酒屋まるのバレンタイン

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気を取り直して。 「ミハイさん。」 「・・・・・・」 「ワイン、お出ししましょうか?」 「・・・・・・」 あああああ、完全にへそを曲げている! うっとおしいいいいい!! そう思っても、相手は客だ。 口をきいてくれないので、俺は仕方なくもらったバラの花束を解いて、花瓶に入れた。 居酒屋には不釣り合いだが、まあいい。 「華やかになります。お客さんがみえたときに目に入るよう、入り口の方に飾りますね。」 「・・・・・・おまえにやったんだ、他の奴に見せるな。」 もらったもんを俺がどうしようが勝手じゃないか! 「・・・じゃあ、自宅に飾ります。それでいいですか。」 譲歩したんだ、返事しろ!
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