居酒屋まるのバレンタイン

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俺の言葉に、ミハイさんは不審そうに首を傾げた。 「何を言っているのかわからん。」 何って、日本語だ。 「ですから、ミハイさんはもてるんじゃないですかと。」 「もてているのと、私の気持ちが向くのとは、同じではないぞ?」 「・・・まあ・・・それはそうですが。」 そりゃあ、もてないよりはもてた方が男としては誇らしいかもしれないけれど、誰を好きになるかはその人次第なわけで。 しかし、よりによって俺に目をつけなくてもいいだろう。 趣味を疑う。 「おまえは私が唯一伴侶として向けたいと思った相手だ。」 そういう恥ずかしいことを真顔で言うな! あああ、どうしてこう不思議な感性をもっているんだろう。
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