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「いや、あの、だからですね・・・」
「おまえの気持ちを、私が動かせばいいだけのことだろう?」
だめだ、通じない。
本当に残念な人だな。
でも、人間よりはるかに強い吸血鬼のはずなのに、こんなに熱心になってるミハイさんに、ちょっとだけ温かいものを感じた。
や、恋愛じゃないけど。
「ミハイさんにお応えできるようになるかどうかわかりませんが。」
ミハイさんが握ってくる手を、やんわりと外しつつ、さっき注いだワインのボトルを見せた。
「イタリアのワインです。ルーチェ。いつも召し上がっていらっしゃるものよりずっと安くて申し訳ありませんが、アロマの最後にチョコレートの風味が残るそうですよ。」
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