悪魔の少女

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「これで終わりにしてあげる」  私は、口角を吊り上げて微笑む。  そして、男の腹部に突き刺した包丁で、腹を裂くように横に掻き切った。その瞬間、男は視点を泳がせ、私に覆い被さる様に倒れた。 「ちょ、重いし!」  完全に力のない男はグッタリと項垂れていて、男の体重がのし掛かり、想像以上に重い。少し手荒だが、私は男の腹を蹴り上げ、その身体をベッドに放り投げた。  男は死にかけの金魚みたいに口をパクパク動かし、必死に何かを語る。恐らく、助けを求めているのだろうが、私の耳には届かない。  ーー今、私にあるのは“肉欲″。  それ以外の事なんて頭にない。  横に掻き切って、大きく開いた傷口から男の臓器が顔を出す。若干ピンク色のソレは、長くて変わった形の腸。  ……食べたいなぁ。  もう、我慢できないよ。  血液で艶やかに光る腸を、私は小さく切って、それを口に運ぶ。これまた不思議な食感で、レバーのように瑞々しい血が口内を満たす。
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