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諦観して早々に白旗を掲げてやったにも関わらず、夢の中の僕の僕に対する非難は止まない。
「わかってるならなんでバカでい続けるんだよ?」
「責任は責任。感情は感情。結果は結果だろ」
「全然まったく意味がわからないね」
なら訊くが、と夢の中の僕は椅子の背もたれに体重を預け、腕組みしながらやや語気を強めて言った。
「おまえの行動のどこに責任があってどこに感情があっておまえはどんな結果を望んでるんだ?」
「なにを……」
「伝わりやすく端的に言い換えてやる。“おまえの本音はどれなんだよ?”」
「どれ?」
沈黙。
彼は腕組みを解いてまたカフェオレを一口飲む。そして空になった容器を部屋の隅にあるゴミ箱へ投げ入れた。それからわざとらしく大きなため息をついて立ち上がり、冷蔵庫から微糖のアイスコーヒーを取ってくる。
「おまえさっきから勝手に」
「じゃあ一応尋ねとこうか」
ドサリ。PCチェアーをパーソナルエリアにした彼は我が物顔でそこに腰を下ろし、言う。
「おまえはなんでこんなめんどうなこと引き受けて、未だ投げ出さずにやり続けてんだよ? おまえのやるべきこと――じゃねえよなあ。これって本来」
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